薬物依存症とは

違法薬物(シンナー、覚醒剤、大麻、コカインなど)を止めたいと思うのに止めることができない。また「合法薬なら安全だ」と、市販薬や病院からの処方薬を乱用し、日常生活に支障がきたしていませんか?
薬物依存症とは、大麻や麻薬、シンナーなどの薬物をくりかえし使いたい、あるいは使っていないと不快になるため使い続ける、やめようと思ってもやめられないという状態です。こうなると日常生活に支障が出てもやめられない、また薬物を手に入れるためになりふりかまわなくなるといったことが出てきます。
欲しいという欲求が我慢できなくなる精神的依存、クスリがなくなると不快な離脱症状が出る身体的依存があります。また、体がクスリに慣れてくるため、同じ効果を感じるためにクスリの量が増えてしまいます。
一度だけのつもりでも、気がつくと薬物依存症になってしまうことがあります。また一度やめても、また手を出してしまうこともあります。ですから、クスリをやめた後も、二度とやらないという強い気持ちが必要であり、治療をすることが必要です。

薬物依存専門治療について

当院では、岐阜県で初となる、薬物依存症専門外来を平成28年10月から設置しました。薬物依存症治療は、外来治療が基本です。一時的に薬物が手に入らない環境をつくる必要がある場合には、入院も必要になります。薬物使用に関係していた状況(人間関係、場所、お金、感情、ストレスなど)を整理・清算し、薬物を使わない生活を持続させることが必要です。
しかし、一人での決意はほとんど持続しません。持続させるためには、これらの整理・清算を認知行動療法で体系的に習得させてくれる医療施設や相談所に通い続けるか、ダルクやNAなどの自助活動に参加し続けながら、薬物を使わない生活と新しい仲間をつくることが大切です。

プログラムについて(名称 KAGAYAKI-D)

当院の薬物依存症治療は、SMARPPのモデルを引用・参考にKAGAYAKI-Dと名称にて当院独自にテキストを作成しました。SMARPP(スマープ)は、少人数制のグループミーティング型の治療法です。設定されたテーマごとに、グループミーティングで意見交換することで、薬物依存のメカニズムを理解し、自分が薬物を使用してしまう「引き金」や「スイッチ」を自覚し、対処法を探していくといったことが行われます。TAMARPP(多摩精神保健センターがSMARPPを参考に改良したもの)の利点も含め作成したものが、KAGAYAKI-Dになります。

治療日 隔週金曜日 15:00〜16:30開催
対象 物質関連障害(薬物・アルコール・処方薬依存)
場所 ピアカウンセリングルーム
テキスト KAGAYAKI-D
1クール16回 ※1クール終了後も治療参加可